2019年2月25日月曜日

「朝鮮半島新体制に向けて準備」/米朝首脳会談で文在寅大統領


ベトナムのハノイで開かれる第2回米朝首脳会談を22728日に控え、韓国の文在寅大統領は25日、ソウルの青瓦台(大統領府)で開いた首席補佐官会議で、同首脳会談への大きな期待と朝鮮半島新体制への熱い胸の内を語った。

米朝首脳会談では当然のことながらトランプ大統領と金正恩委員長の両首脳に焦点が当たっているが、この間の経過をたどると、文在寅大統領の平和戦略と仲介外交抜きには米朝首脳会談の実現も難しかったといえるのも事実だ。


文大統領には朝鮮半島の当事者としての意識が強い。この日の首席補佐官会議ではハノイの米朝首脳会談後も朝鮮半島の冷戦構造の解体と平和・繁栄へ向けた新情勢を主導していくことに強い意欲を見せた。

225日、青瓦台のHPで発表された首席補佐官会議での文在寅大統領の冒頭発言を以下に全訳してみた。http://www1.president.go.kr/articles/5573
                                                            (波佐場 清)
青瓦台HP    首席補佐官会議で話す文在寅大統領

■歴史に残る偉大な業績
2回米朝首脳会談が2日後に迫ってきました。大韓民国の平和と繁栄を望む国民ならだれもが心ひとつに会談の成功を願うところです。

米朝両首脳はこれまで誰も歩んだことのない道を歩いてここまで来ました。トランプ大統領は、(米国が)北朝鮮の核問題で犯した過去の失敗を繰り返さないために大胆な決断と新しい戦略で対北朝鮮外交を直接率いています。トランプ大統領が地球上で最後に残った冷戦体制の解体に成功すれば、世界史にしっかりと残る、いまひとつの偉大な業績となるでしょう。

韓国政府は朝鮮半島の平和のためのトランプ大統領の新しく大胆な外交努力に全面的な支持と協力を惜しみません。

■足を引っ張ろうという人がいる
核の代わりに経済発展を選び、過去から未来に向かおうとする金正恩委員長の決断にも拍手を送ります。私たちが両首脳に声援を送り会談の成功を祈るのは、朝鮮半島から戦争の脅威と安全保障上の不安をなくし、平和な経済の時代に向かうことができる決定的な契機となるからです。

大変な思いをしてここまで来たというのに、今もって南北関係と米朝関係の改善を快く思わず、足を引っ張ろうとする人たちがいます。みなが色眼鏡を放り投げ、私たちに巡ってきたこのチャンスを生かすために全力を挙げようと申し上げたく思います。

こんどの会談が成果を収めれば、そこからが本当のスタートとなります。私は先週、トランプ大統領との電話会談で、米朝首脳会談の成功へ、私たちができるあらゆる支援をしたいと伝えました。

■朝鮮半島の運命の主役
現在、韓米同盟、南北、米朝の関係はいずれをとっても過去のどの時期にも増して良好です。韓国の果たせる役割がそれだけ多いということでもあります。朝鮮半島問題の主役として南北関係と米朝関係がシナジー効果をもたらし、非核化と恒久的平和、共同繁栄の道へと進むよう最善を尽くします。

北朝鮮の経済が開放されれば、周辺の国々や国際機構、国際資本が参入することになるでしょう。その過程においても韓国は主導権を失ってはなりません。朝鮮半島の運命の主役は私たちです。

私たちはいま、植民と戦争、分断と冷戦によって苦痛を被った時間から、平和と繁栄の時代をリードする時間へと、歴史の新しいページを自らの手でめくっています。歴史の辺境でなく中心にあって、戦争と対立から平和と共存へ、イデオロギーや陣営といったことから経済と繁栄へと進む、朝鮮半島の新しい体制への準備を主導していきます。

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