■GSOMIAを再検討
協定の有効期限は1年で、毎年延長しなければなりません。十分再検討できると思います。「国会で十分に説明したあとで協定を結ぶ」という約束を国防省は守っていない、独島(竹島)や慰安婦問題についての国民感情を考慮していない、そして、この協定が「韓米日」対「朝中ロ」という対立構図を固定化する――といった点で問題があります。6月7日、雇用問題に関連して消防署を訪問=青瓦台HPより |
北と対話することによって朝鮮半島の問題を韓国が主導することの方が先決です。GSOMIAはそうした土台のうえに論議できる問題です。
<訳注:GSOMIAによると、この協定は1年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を90日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される――などとなっている。詳細は、外務省HP参照 http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000205832.pdf>
GSOMIAは相互に情報を交換し合うためのものです。韓国が日本から北の核に関してレベルの高い情報を受け取ることができるというなら、その部分では助かる面はあります。しかし、米国や日本が韓国にいったいどれほどのレベルの情報をくれるかという問題があります。
韓国がレベルの高い情報を与えることができなければ彼らもいい情報はくれません。韓国が北と対話をして朝鮮半島の問題を主導していくとき、外交的にも米国、日本からそれに見合った待遇を受け、情報を交換するに際しても彼らはずっと精密で高度な情報をより早く提供するようになります。
――重要、かつ中国との関係も絡んで難解な問題なので、いまいちど、お尋ねします。THAAD(サード)についての考えは変わりませんか?
■THAADは得失を考えて
その問題に関しても同じことが言えます。THAADは配備することもできるでしょう。しかし、朝鮮半島の問題は韓国が主導していかなければならないという立場に立てば、それを配備するに当たっての得失について具体的に検討するべきなのです。
配備するにしても、その手続きやプロセスは正当かつ透明でなければなりません。国会の批准を経なければならないだけでなく、北朝鮮がいまのように引き続き核実験をし、ミサイル搭載技術を高度化していくならば、韓米の同盟関係を強固にするうえからもTHAAD配備は十分に考慮できるという立場を中国に対して強調すべきです。
北朝鮮がすぐに核廃棄とまではいかないまでも核凍結、つまり追加的な核実験をしないよう中国が一定の役割をしてほしい、そうでなければ私たちとしてもやむを得ない、といった具合に外交努力をしていく必要があります。
そうすれば、他の解決策を講じることもでき、仮にTHAAD配備の方向にいくにしても中国が韓国に経済制裁をする名分がなくなります。
韓国の国防省が米国から要請されたことがない、協議したことも決定したこともない、と言っていながら、ある日突然、不意打ちを食らったような形でTHAAD配備が正式なものになるというのは外交、安保の面からみて完全に失敗だったといえましょう。
■協議のための圧迫
――李明博政権以降、対北政策はほとんど断絶的といえるものでした。米国は北の核問題では強硬一辺倒のトランプ政権です。トランプ政権内には核問題を解決するには北の政権が替わらなければ、とする見方もあります。朝鮮戦争は休戦中ですが、南北間の終戦協定や、米朝間の平和協定は必要なのでしょうか。
元もと米国の対北政策には選択可能なものとしてそのようなものが含まれています。北の核は局限的な軍事攻撃をしてでも根源から破壊すべきだ▽北の政権を交替させなければならない▽北の社会自体を民主化して反体制運動を支援しよう▽北との対話を通して外交的に解決しよう――といった多様な選択肢があります。
米国で言う北の核に対する局限的な軍事攻撃が、そのまま米国の対北政策というわけではありません。米国がそうしたふうにしているのは選択可能なオプションを示すことで北を圧迫しようとしているのです。
国際的な制裁も同じことです。結局、そのような圧迫を加え、最後は協議で解決しようというのです。局限的な軍事攻撃にしろ、国際的な圧迫や体制転覆の試みにしろ、結局のところ、協議をするうえで優位に立ち、問題を解決していこうということなのです。
■韓国を置いてけぼりで米朝協議
ところが、韓国政府はまるでオウム返しのように北の核廃棄なくして対話はない、と繰り返すだけです。外交もなく、策略もなく、国家経営戦略もないのです。
韓国政府は米国が常に韓国の立場に立って一緒にやってくれるものと信じているのですが、米国は北との間で対話の窓口を開いているではないですか。
米朝は昨年10月にもいわゆる「セカンドトラック」の会談をしました。北朝鮮は韓成烈外務次官や国連駐在次席大使ら現職の官吏です。米国は民間人ではありますが、ロバート・ガルーチ元国務省朝鮮半島核問題担当大使や6者協議の元次席代表ら非常に重みのある人たちでした。
民間レベルのセカンドトラックといいつつ、実際には準公式会談ともいえるものでした。すぐに公式会談に移行していく可能性があります。
韓国は朝鮮半島問題の主人公なのに、いつの間にか部外者になってしまい、見物人になってしまっている。むしろ、米国と北とで朝鮮半島の問題を話し合うように韓国の方で仕向けている。そんな愚かな選択を朴槿恵政権はしてきたのです。
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